アメリカの大学受験 1.受験システム
ここ最近、自分の受験体験を振り返ることが多くなった。受験失敗したとは思っていないけど、もう少し慎重になればよかったと後悔しているので・・・。でもエリオットスクールに行けてよかったとは思っています。ちょうどこの間、秋タームのクラスの登録や寮も決定したところですが、それはまた別の記事で。これから複数回に渡ってアメリカの大学受験についてエラボレートにお話していこうかなあと思います。
早速、今回はこの前より詳細に受験システムを。
よく、アメリカの大学は入るのは簡単だけど出るのが難しいと言われることが多いように思います。答えはイエスでありノー。
まず、アメリカの大学といってもピンからキリまであるので、ハーバードやスタンフォードなどの大学は入るのが非常に難しいけれど、そこらへんのレベルを狙わなければさほど難しくはないです。ちなみに数年前のスタンフォード大学の合格率は4.8%。ハーバードも5%くらい。この数字は年々下がってきています。非常に狭き門。特にアジア系にとっては(これに関してはアファーマティブアクションと検索して調べてみてください)。
そして次に、受験システムが日本とは完全に異なる。日本のようにテストの結果だけで大学入学は決まらない。難関と呼ばれる大学は、日本でいうセンター試験のようなテストの得点も高校の成績が良いのも当たり前、それに加えて個人の資質が問われるのです。課外活動はマストですし、それに基づくエッセイ(基づかないエッセイも、もちろんありますが)はテストスコアより重要視される傾向にある。先生からの推薦状も評価の対象。成績、テストスコア、課外活動、エッセイ、推薦状など全てが評価される。なので、勉強だけ出来ても名門校には入ることができません。
入るのが難しいか難しくないかは、本当に人によると思う。私は、個人的にこの入試制度はすごくやりがいを感じるので好きです。このようにたくさんの要素を考慮するので、結果が届くのに数ヶ月もかかる!ちなみに私はウェイトリスト(補欠)を貰った学校が4校あったので、全ての結果が届くまで半年かかった・・・。
これらをどうやって提出するのかについてですが、複数のオプションがあります。そしてその全てを使うことも可能。
1. Common Application(通称CommonApp, コモンアップ)
これは大学に出願する上で、最も一般的な機関。ほとんどの大学がこの機関を使っています。自分のアカウントを作って、出願する大学を選び、リストに加え、必要なデータを入力していく。そして出願料を払ってしまえば、自分のアプリケーションは大学に送られます。ほとんどの大学が義務付けている推薦状を送る際には、推薦者のアカウントも作らなければいけないため、それについては少々面倒。。私は、この複雑なアプリケーションプロセスに慣れるため、出願の一年前からアカウントを作った。入力する内容があらかじめ分かっていると、後々困らないもの。留学を考えている人は、モチベーションを高めるためにも、今からアカウントを作って、試しにコモンアップエッセイを書いてみては。
2. UC Application(大学専門のアプリケーション)
これはUC(カリフォルニア大学系列)専用の出願システム。UCに限らず、ジョージタウン大学なども、専門のアプリケーションサイトからの出願でないといけないということが稀にあるので要チェック。ジョージタウンに出願すればよかった・・・と後悔しても後の祭りですから(笑)。このシステムの良いところは、一回の提出で複数のUCキャンパスに出願することが可能であるところ。つまり、各キャンパス(UCLA, UC Berkeley, UC San Diegoなど)への追加の出願料を払えば、同じアプリケーション内容で違うUCへ出願することができる。面倒臭い、大学ごとのエッセイは書かなくてもよいのです。ただ、UC共通のエッセイトピックを8つの中から4つ選んで書かなければいけない。そして、注意しなければならないのが、出願締切日。UCは他のほとんどの大学よりも早い、11月末締切です。早く取り掛かる必要があります。私は夏休みに最初のドラフトは完成させ、父のアメリカにいる同僚にチェックしてもらったのだけれど、自分の書いたエッセイ内容に満足せず結局何回も書き直してはチェックしてもらうの繰り返しだった。私はUC Berkeley, UCLA, UC San Diegoに出願したけれど、提出したのは締切日ギリギリの11月30日でした。この時期、高校生なら地獄のような期末試験直前なはず。私は最後のSAT(アメリカのセンターのようなもの)と期末試験が控えていたので、本当に死ぬ思いだった。1つでも先に出願を終わらせておくと、気が楽になります(と、あとで振り返る)。
3.Coalition Application
コモンアプリケーションよりは認知度は低いけれど、多くの大学はコモンアプリケーションとともに、このコアリションアプリケーションを取り入れている。人によっては、コモンアプリケーションを使わずに、このコアリションアプリケーションで済ますこともある。マイナーではあるけれど。私は、ワシントン大学シアトル校に出願しようと思っていて、この大学は珍しくコアリションしか受け付けていないということだったので、急遽アカウントを作り出願した。ワシントン大学はUCよりも締切日が早く、11月16日頃でした。どうせ12月くらいだろうと高を括っていたのですが、私の出願を手伝っていてくれた学校のカウンセラーの先生に“締切来週じゃないの?”とメールでリマインドされ、顔面蒼白で出願準備をしたのを覚えています。あの時は最後のTOEFLとSAT受験に向けて勉強していたところだったので、かなり焦った。ただ一つ良かったのが、ワシントン大学は推薦状を送る必要がなかったので、先生方に迷惑をかけることはなかったです。中には稀に、コアリションしか受け付けていないという大学もあると思うので、気をつけて。
アプリケーションは基本的にオンラインで提出するけれど、提出時期については一般的に二つのオプションがあります。
1. Early Decision/Action(以下ED/EA)
これは早期出願を言われるもので、EDもしくはEAで出願しようと思うと、合格率は幾分か上がる。出願締切は10月末、そして結果は基本的に12月の半ば。クリスマス前に結果が届くの、良いですよね。最初は私もコロンビア大学にEDで出願しようと考えていたんだけれど、EDの場合はBinding(バインディング)と言って、受かったら絶対その大学に行かなくてはならないという制約があるのです(EAはそのような制約はないです)。そして、第一志望で合格もしくは保留(deferといって、保留になったらのちの一般出願に回される)になったらいいのだけれど、もし受からなかった場合は、その年にはもう出願できない。つまり、早期出願の後の一般出願でもう一度出せないのです。これはキツい、と思い、私はED/EAを使わなかった。私の場合は、SATもTOEFLもギリギリで伸ばしたので早期出願じゃない方が良かったのですが、自分のスコアやエッセイに自信があって、もういつ出しても良い!という方ならED/EAで出したほうがいいかも。
2. Regular Decision
これが一般出願です。締切は大学によってまちまちだけれど、元旦ごろが多く、結果が届き始めるのが3月に入ってから。出願準備に時間は取れますが、結果が届くのが遅いのでその間そわそわしながら待っていることになる。アメリカはその時期(1月〜3月)も授業があるからまだ良いけれど、日本は高3の受験シーズンということで授業がなくなるので・・・。長く感じること間違いなし。私は元旦まで引っ張りたくなかったので、ちょうどクリスマスに一斉に出願した。個人的には、やはり10月末は学校の行事(文化祭など)や中間テストがあったりして結構忙しかったので、日本のいわゆる普通の高校に通っている高校生ならRDで出願するのが良いのでは。期末テストが終わった後に、ゆっくりエッセイの見直しができると思うし。実際、私もワシントン大学やUCに出したアプリケーションよりも良いものをコモンアップで出すことができたと思う。
まあこれが受験システムの概要です。次回で大学側が求める人材、みたいな話をしようかな。
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